未経験のWebデザイナー志望者が、ハローワークを通じて職業訓練校を使うメリットと職業訓練の内容について説明していきます。
職業訓練校とは?
職業訓練校とは国や都道府県が求職者に無料で様々な業界・業種に必要なスキルを取得する為の職業訓練を行います。近年では国や都道府県だけでは対応が難しくなってきたので、資格が取得できる学校をしている民間企業や大学や専門学校などと連携を行って委託訓練も増えてきています。
職業訓練中は生活状況によって「職業訓練給付金」を受給しながら、職業訓練校で学べます。職業訓練校に通う為にはハローワークでジョブカードを書いて「受講申込書(ハローワークにある訓練校パンフレットに付属)」「写真(H:3cm、W:2.5cm)」「雇用保険受給資格者証」を用意して応募をします(ハローワーク経由しか申し込めない)。しかし、誰でも応募できますが人気校や講座は倍率が高くて、テストや面接で落ちる可能性もあります。
Webデザイナー希望者が職業訓練校を受ける5つのメリット
Webデザイナー希望者が職業訓練校を受けるメリットは下記とおりです。
- 教材費実費(約一万)以外は学費はかからない
- Webデザイナーの基本知識や必要なスキルが学べる
- 失業保険が貰えるのでスキルアップに集中できる
- 雇用保険を受給できない方は条件によっては生活支援給付金を10万~12万頂ける
- 自分と同じスタートラインの仲間が出来る
それでは一つずつ説明していきますね。
1、教材費実費(約一万)以外は学費はかからない
NPO法人インターネットスキル認定普及協会の3か月間の「ウェブデザイナー養成科」でも、民間の委託されたWebデザインを学べるスクールでも教材費(約一万)以外はかかりません。民間のWebスクールの場合は実際に有料と同じ内容なので非常にお得だと思いました。
2、Webデザイナーの基本知識や必要なスキルが学べる
実際に僕の周りで体験した方の教材を見たのですが、かなり本格的な内容だったのでびっくりしたのを覚えております。学ぶ内容は訓練校により変わってきますが大体が下記内容です。
※職業訓練校によって学べる時間が数十時間単位の開きがあるので要確認。
【学科】
- 職業訓練基礎講習(ヒューマンスキル向上)
- 就職支援
- コンピューター概論
- ネットワーク・インターネット概論
- サイト構築概論(HTMLの仕組み、Web標準、Web制作の最新の技術、モバイル対応技術、サイト分析ツール、著作権・薬事法等の法的な事)
- サイトデザイン概論
【実技】
- Photoshopの使い方
- Illustratorの使い方
- イラスト作成実習
- 写真加工実習
- Webデザイン実習
- HTML+CSSコーディング実習
- Javascript演習
- Web構築演習(ターゲットとデザインの選定・デザイン・レイアウトの検討と確認・アクセシビリティ・ユーザビリティ確認)
- Web構築実践(要求仕様・Webデザイン制作・HTML+CSSコーディング・デバック・動作確認)
- 企業実習
どうですか?かなり本格的ですね。
学ぶ期間も職業訓練校によって開きがありますが3ヶ月〜1年で数百時間学ぶので、本格的に学んでいく事ができます。
3、失業保険が貰えるのでスキルアップに集中できる
職業訓練に通うことが決まると【基本手当】【受講手当】【通所手当】【寄宿手当(一部の人のみ)】が貰えるので生活費を国から援助して頂きながらスキルアップの為の勉強に集中できます。
しかも、職業訓練開始に合わせて給付制限が短縮されます!
基本手当
基本手当日額は、ボーナスや退職金は除き退職前6カ月間の給与額の合計額を180で割った数字が一日貰える金額です。ちなみに下記上限が定められています。(平成28年8月1日現在)
30歳未満 | 6,370円 |
---|---|
30歳以上45歳未満 | 7,075円 |
45歳以上60歳未満 | 7,775円 |
60歳以上65歳未満 | 6,687円 |
下記サイトで簡単に計算できます。
>>失業保険の給付額を計算!直近6カ月間の給与総額で金額が決まる(失業保険で生活と転職をサポート「シツホ」)
受講手当
職業訓練に1日出席すると500円支給されます。受講手当の上限金額は20,000万円です。
通所手当
あなたの住んでいる場所から職業訓練校までの交通費です。月額は交通手段によって変動しますが最高43,500円まで支給されます。
寄宿手当(一部の人のみ)
生計を維持している家族と離れて職業訓練を受ける場合に月額10,700円固定で支給されます。
このように結構手厚くサポートしてくれるのです!(日本ってスゴイですね!)
4、雇用保険を受給できない方は条件によっては生活支援給付金を10万~12万頂ける
生活支援給付というのは雇用保険を受給できない方向けの生活保障制度です。支給額は下記とおりです。
生活支援給付金の支給月額
- 被扶養者を有する方:12万円
- それ以外の方:10万円
要件は下記要件となっています。詳しくは下記引用元の「緊急人材育成支援事業(基金訓練、訓練・生活支援給付金)ご案内」を参照下さい。
支給対象要件
- ハローワークに求職登録されている方で、ハローワーク所長のあっせんを受けて、基金訓練または公共職業訓練を受講する方
- 雇用保険の求職者給付、職業転換給付金の就職促進手当及び訓練 手当を受給できない方
- 世帯の主たる生計者である方(原則として、申請時点の前年の状況によります。)
- 申請時点で年収見込みが200万円以下、かつ世帯全体の年収見込みが300万円以下の方
- 世帯全体で保有する金融資産が800万円以下の方
- 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない方
- 過去3年間に不正行為により、国の給付金等の支給を受けていない方
5、自分と同じスタートラインの仲間が出来る
一人で独学で勉強してやり続けるのは孤独との戦いですが、同じスタートラインを走る仲間がいるという事は心強いと思います。独学する事に自信が初めは持てない方は、同じ立ち位置の仲間と一緒にWebデザイナーを目指していくのも素敵なことだと感じます。
最後に
日本という国は何だかんだこういう手厚い保障がある高度な社会だと感じます。こういう恵まれた国だからこそ、是非その制度を利用してみるのも非常に効率的でいいかと思います。
Webデザイナーを目指して日々進化してくださいね。